モグラボラトリ日誌

森薫のウェブ・サイト「モグラボラトリ」のブログ&コラムです。

【ブログ&コラム】オンライン授業の覚え書き

授業が始まって、3週目を終えた。慣れてはきたが、やはり終わるとへとへとになる。もう少し肩の力を抜くのを来週の課題としよう。いくつかミスも出てきた。授業をもう10分長いつもりでやってしまったり、録画ボタンを押しそびれたり。

学生のコメントシートを見ていると、彼らは思ったよりもスムーズにこの状況に適応しているようだ。まあ教員に見せるコメントシートだから、色々と気を遣って書いているのだろうけれど。そして、授業内容についても、授業方法についても、コメントを見る限りでは彼らの実態と概ねフィットしているようで、ちょっとずつ手ごたえを感じはじめている。

時々コメントシートに、「お会いしたら〇〇と▽▽の関わりについて、もっと深くお話してみたいです」とか、「今日授業で先生がされていた××を、自分でもやってみたことがあります。いつか見て頂きたいです」とか書かれている。本当にそうだねぇと思う。会えることを楽しみにしてくれているのが素直にうれしいし、ありがたい。

 

そういえば、私のオンライン授業では、学生のカメラオンは任意でと話している。とはいえ数人だけでも顔を出してくれると、授業者としてはとても助かる。抽象度の高い話や学生が初めて触れるであろうトピックを扱う際に、学生の表情が手がかりになるから。

で、協力してくれる人がいるとありがたいです、と授業の開始時に言うと、ぱぱぱっとオンにする学生が続出する授業と、なかなかオンにする学生が出ない授業があって面白い。なんとなく、専攻分野によって傾向が分かれる気がしている。しっかり計測したわけではないが、フットワークの軽い人の多い専攻と、思慮深い人の多い専攻があるような。どっちもそれぞれいいんです。

 

平常時は、授業を教室で行い、歩いて研究室に帰るという空間の移動がある。実はそのおかげで気分を切り替えられていたのだなあと改めて気づかされる。今期は授業の準備中も授業中もその後の仕事でもずっと、同じ机に向かっているので、切り替えにくく煮詰まりやすい感。

でも徐々に、いくつか、気分の切り替えに寄与する行為を見つけはじめた。まずマイクをPCから引っこ抜いて、マイクスタンドを部屋の隅に移動させる行為。これが、私のなかで教室―研究室間の移動にあたる儀式となってきた。それから、腕時計をして授業をして、終わったら外すというのも。

この状況下では特に、自分のなかに起こる変化に対して自覚的でありたいと思っている。自分にとって効果的な動きを見つけたら、それをうまく生かしていこうと思う。