モグラボラトリ日誌

森薫のウェブ・サイト「モグラボラトリ」のブログ&コラムです。

【ブログ&コラム】語るべき内容をもつ

先日友人宅でのホームパーティにお呼ばれした。その友人カップル、そしてデンマーク在住・一時帰国中の国際結婚カップル(旦那さんがデンマークの方、奥さんが日本の方)と私とで、たくさん飲んで食べて、大変楽しい時間だった。

会話はおおむね英語で進んでいき、私も四苦八苦しながらかなり頑張って聴いたり喋ったりしていたのだが、デンマーク旦那さん(Aさんとする)とこんな話になった。

A「僕、日本の現代音楽が大好きなんだ」

森「へぇー。誰が好きなの?」

A「タケミツとかもちろん聴くけど、一番はマユズミ。イマムラの映画で音楽を書いているでしょう。素晴らしいよね。」

森「そ、そうなんだ…(黛敏郎はもちろん知っているが、今村昌平の映画を観たこともない。しかも私のなかの黛は『題名のない音楽会』の人というイメージ…恥ずかしながら…)」

A「それにしても、マユズミはどうして晩年ナショナリストになったのかな?もともとなの?イマムラの作品とは正反対の価値観だと思うんだけど…」

森「…(わからん)」

デンマーク人である彼が日本の文化に高い関心を寄せて、作曲家のパーソナルな部分も知ろうとしている姿に恐れ入るやらわが身を恥じるやら。そして、もちろん英語はしゃべれればしゃべれるほど良いと思うし、読み書きももっと磨かないといけないと自分で思っているが、それよりなにより、語れること、語るべき内容を自分のなかにもっともっと培わないとだめだなと、改めて認識・反省した。

今村昌平監督、黛敏郎音楽の作品を検索すると、1961年に『豚と軍艦』、1966年にエロ事師たち」より 人類学入門 』1967年に『人間蒸発』、さらに1968年に『神々の深き欲望』という映画が公開されているようだ。どう見ても濃そうなタイトル。勇気を出して観てみようと思う。