モグラボラトリ日誌

森薫のウェブ・サイト「モグラボラトリ」のブログ&コラムです。

【ブログ&コラム】「憧れの最近接領域」をつくりだすモレスキン

手書きの日記を書いている。日記を書く習慣を持つことに対する憧れは昔からあり、これまで何度かトライして、いずれも続かなかったのだが、今回はもうすぐ8か月。そろそろノート1冊を使い終わりそうなところだ。数行で終わる日もあれば、2ページに渡る日もあるといった分量で、数日をまとめ書きすることも多いので、まあ適当な感じだが、一応続いている。

続けられている理由は明白。

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使っているノートがめちゃくちゃかわいいからである。モレスキン×ブルーノートのコラボノート。高かった。こんな素敵なノートで日記を書くとか超イケてるし(注:このブログは1990年代末に女子高生だった人間が書いています)、もしこれを使い始めて途中で投げ出したらもう自己嫌悪でやってられないので、どうにか続いたのである。

かたちから入るというのは、結構意味あることのように思われる。とっておきのノートで日記を書けば続く。日記を書く習慣が形成されたら、普通のノートにしても続くだろう。勉強などもそうだろうと思う。私はよくゼミ生に、かわいいノートやかわいいペンを買って卒論用に使うことを勧める。

教育工学者の上田信行(2009)による著書『プレイフル・シンキング 仕事を楽しくする思考法』(宣伝会議)に、「憧れの最近接領域」という概念が登場する。ヴィゴツキーの「発達の最近接領域」の概念を上田が援用したもので、この人と一緒にいたらなんだかできそうな気がしてくる、という他者含みの自信のことである(pp.123-124)。私はこれは、憧れのモノを手にしたり、憧れの格好をしてみたりすることでも立ち上がってくると思う。上田自身、本書以外のインタビュー等で、そうしたことも述べている。

 

 なんだか話があさっての方向に行ったな。

さて、過去のページをふと開いてみたら、友だちと飲みに行ったら禁煙をがんばっていてエライと思ったこと、その友だちの肌の調子が良くなっていて嬉しいということが書いてあった。日記をつけはじめた当初は、研究や何かの着想を書いて活用したいとか、そんな野望もあったのだが、続けてみると内容はいつもこんな感じだ。でも、10年後か20年後か、読み返したら、こんな内容がとても楽しいのかもしれない。まだしばらくは続けるつもりでいる。